チェルノブイリ事故は、メーデー前の金曜日深夜に起きた。
制御棒を完全に入れれば、炉心は止まる。
だが、中途半端に入れれば、残った核反応で
発電できるのではないか? という実験中だった。
#安全装置は切られていた。
金曜日の深夜。技師や作業員たちは、
「この仕事を終えれば休める!」と意気軒昂だった。
実験は暴走という結果を生み、休みは潰れた。
災厄。炉心融解、メルトダウン。
炉心直下には、核反応を制御するための冷却水プールがあった。
メルトダウンが進めば、そのプールの水で水蒸気爆発が起きるだろう。
どうしたか?
3人の男たちが
汚染された水の中を泳いでいって、プールの栓を抜いた。
彼らのことは誰も知らない。

アンドレイ・アナネンコ  ヴァレリイ・ベズパロフ  ポリス・バラノフ

彼らは、ひどい事故が「よりひどい事故」になることを防いだ。
ヨーロッパ全域が「死の森」になることを防いだ3人。
彼らのその後は、あえて語らない。
 
 この3人が栓を抜かなかった場合、最悪の場合、1万年以上の間、ヨーロッパほぼ全域が人が住めない状態になってしまったと言われている。
 ちなみにフレデリック・ポールが書いたチェルノブイリという本に同名の人物が出るため、これは作り話だと言う人がたまにいる。
 しかしこの小説は実話をもとにしているため、実際にあった出来事だと考えられる。