高校生のとき教室で怖い話で盛り上がり、心霊スポットのさびれた神社にいくことになった。
当然メンバーに女子はおらず、男三人で行くことになったけどな。
夕方で、男三人いるということもあり、全然怖くない。
「やっぱり幽霊なんていないんじゃねえか」
「ちっともこわくねぇ」
とか言いながら、歩いていた。
すると、木の陰から何かいるのか、パキパキと枝を折るような音が聞こえてきた。
動物だと思った俺たちはそっちに近づいた。
そこには、明らかに異形のものがいた。
足の数が8本ある、大きなイノシシの形をしてるんだが、人の顔がついている。
しかも何かブツブツ言っている。
俺は腰を抜かしてへたりこんでしまった。ほかの二人も動けない。
逃げ出すことが出来ない絶対的な恐怖だった。
間違いなく殺される、喰われて殺されると思ったそのとき、声がした。
「お化けさん、やめるのです」
同級生のAだった。
何でこんなところに?何を言ってるんだ?と思ったら、イノシシに突っ込んでいく。
イノシシの顔が恐怖に歪み、すっと消えてしまった。
「あのお化けさんは危ないので、あまりここに来ないほうが良いのです」
と言って、ひとりで帰ってしまった。
動けるようになった俺たちは逃げだし、Aとイノシシのことを
「なんだったんだあれは?」
「マジで怖い」
とか言っていた。
Aは変な話し方をするから、みんなから軽く馬鹿にされていた。
俺たちもその日までまともに話したこともなかった。
次の日に初めて会話したんだが、俺たちがその神社に行く話を聞いて、
危ないからと尾行してきたらしい。
イノシシは逃げ出したと言っていた。
イノシシが恐怖で逃げ出したのは間違いないと思うのだが、本人も理由はよく分からないようだった。
「お化けさんたちはわたくしを怖がるのです」
「わたくしは変な人だと思われるのは嫌だから、内緒にしておいて欲しいのです」